「ダン」は英語で dumb 、「黙った」という意味(正しい発音は「ダム」)。「ベル」は bell で、教会の釣り鐘を意味する。字義どおりだと「黙ったベル」となる。文字通り「音を立てないベル」を使ってトレーニングをしていた歴史の名残がある言葉である。
ダンベルの歴史は11世紀のインドにまで遡ることができる。そこではアスリート達が「ナル」と呼ばれる木の棒の外側に石をくくりつけたダンベルを使用していた。
英国テューダー朝時代(1485年 - 1603年)には、鐘(ベル)を鳴らすことで筋力が付くことは広く知られており、16世紀には、金持ちの子息たちの間で、教会の鐘と同じような器具を自宅に作ることが流行った。重しをつけたロープを滑車(プーリー)に通して引っ張ったのである。これは鐘を鳴らす動作と同じであった(日本では鐘は突くものだが、西洋では逆で、鐘は引っ張って鳴らす)。この器具はベルとよばれたが、実際にはベルではなく、音は鳴らない。そのため口語でこれを"dumb-bells"と言うようになった。時代がたつにつれ滑車とロープはすたれ、重しだけが残った。ハンドルの両端に等しい重しをつける現在の形となったのは、19世紀の初頭である。
日本語の「唖鈴(あれい)」は、dumbbellを直訳した語である。「唖」はおしつまり口がきけないさまを指す語であり、差別用語とみなされることから、代用漢字「亜」を用いて「亜鈴」、または片仮名で「アレイ」と表記される傾向にある。なお、「唖」の字は常用漢字に入っておらず、パソコンの変換ソフトでも「唖鈴」の語は登録されていないことが多い。